
『4人の美術家のBEST ONE』Vol.2
上條暁隆×小林聡子×瀬古徹×浅川洋
KAMIJYO Akitaka/KOBAYASHI Satoko/SEKO Toru/ASAKAWA Yoh
<展覧会企画意図>
その昔、ある人に尋ねられました。
個展に何点も出品する必要はなく、ベリーベストな1点だけ展示すれば良いのではないかと。
確かに一理はあると思いますが、それは机上の空論にすぎません。
1点で空間が持つほどの作品なんて簡単にできるはずがないからです。
しかしその時点でのベストな作品というのは、存在します。
個展であれば出品作の核になるような作品です。
虫の良い依頼だとは重々承知ですが、何とご快諾をいただきました。
作家には圧が掛かると思いますが、こちらはワクワクです。
形式もテーマも異なる4点の「BEST ONE」ですが、そこには現在という時間に生きる人間の交換(交感)が生まれるはずだからです。
iGallery DC 福田昌湜
『4人の美術家のBEST ONE』Vol.2の展示風景です。


上から、画廊入口から見た展示全体風景、左側と正面の壁面、右側の壁面の展示です。
『4人の美術家のBEST ONE』Vol.2は以上の4点で構成されています。

左壁面の作品です。
小林聡子さんの作品で、タイトル「Line」(紙、水彩)でサイズ34.8×42.4cmです。

正面壁面の作品です。
上條暁隆さんの作品で、「Winter Forest」(キャンバス、油彩)で54×81cm(M25)です。

右壁面左の作品です。
浅川洋さんの作品です。
「MONADO 砂の音・3」(紙、水彩、パステル)で85×114cmです。
![]() |
![]() |
|---|
右壁面右の作品です。
瀬古徹さんの作品です。(正面と右側からの撮影です。)
「boards no.307」(tempera on board)で16.5×12.3×5.1cmです。
わたしが運営しているギャラリー(iGallery DC)は専ら現代美術を扱っています。
昨今では現代アートと呼ばれることも多いのですが、個人的には現代美術の方がシックリきます。
さてこの現代美術(Contemporary Art)という言葉は価値中立的、普遍的に見えますが、実は西欧的な概念です。
現代(Contemporary)という時間概念も、線的な進歩史観(ギリシャ~キリスト教~啓蒙~近代)の延長上にあります。
美術(Art)という枠組みも西欧的な芸術制度に依拠しており、それ以前の社会には存在しませんでした。
したがって現代美術は「近代の時間軸の現在形=西欧近代の更新形態」でしかありません。
それがあたかも「普遍」であるように思えるのは、明治以降の近代化、教育によるものです。
江戸時代以前に現代という言葉は恐らくありませんでしたし、美術の語も存在しませんでした。
東洋、日本の時間概念は円環的であったし、生活工芸と絵画,彫刻は分化していなかったからです。
最近の言葉で形容するなら、西欧発のグローバリズムとして現代美術は存在しています。
グローバル、グローバリズムは先進的、開明的な語彙として以前は肯定的に使われました。
でも近年は個別、ローカルに力点を置く考え方が支持されているように思えます。
わたしは、ギャラリーの空間にユッタリと展示された4点の作品に囲まれてこれを記しています。
4点の作品は形式(仕様)もテーマも異なりますが、その根底の部分に眼を凝らすと、個別、ローカルな視点を感じます。
つまりグローバリズム(西欧的普遍)とは異なる地点から作品が発出しているように思うのです。
伝統的、身体的、日常的にそれとは異なる思想と意匠に基づいて表現が為されているように思えます。
考えてみれば島国の日本は外来の事物を換骨奪胎で育ててきた歴史があります。
先進に惑わされず、風土や生活習慣にあった改変を行ってきたのです。
常よりも「普遍」に考えが及んだ、4人の作家による多様、多彩な美を楽しんでいただけたら幸いです。
ご高覧よろしくお願い致します。
<上條暁隆>
2012年上條暁隆iGallery DC個展
2014年上條暁隆iGallery DC個展
2017年iGallery DC二人展
2020年上條暁隆iGallery DC個展
2022年上條暁隆iGallery DC個展
2024年上條暁隆iGallery DC個展<小林聡子>
2001年藍画廊個展
2009年藍画廊個展
2017年iGallery DC個展
2021年藍画廊個展
2024年藍画廊個展<瀬古徹>
2003年藍画廊個展
2009年藍画廊個展
2010年藍画廊個展
2011年藍画廊個展
2012年藍画廊個展
2013年iGallery DC個展
2014年藍画廊個展
2015年藍画廊個展
2016年藍画廊個展
2017年藍画廊個展
2018年藍画廊個展
2019年藍画廊個展
2020年藍画廊個展
2021年藍画廊個展
2022年藍画廊個展
2023年藍画廊個展
<浅川洋>
浅川洋2011年iGallery DC個展
浅川洋2013年iGallery DC個展
浅川洋2015年iGallery DC個展
浅川洋2017年iGallery DC二人展
浅川洋2018年藍画廊個展
二人展2019年藍画廊
浅川洋2020年藍画廊個展
浅川洋2023年iGallery DC個展
作品を購入御希望の方は、恐れ入りますが、下記までメールにてご連絡をお願い致します。
折り返し送金方法、納品時期等をお知らせ致します。
(作品が配送の場合、勝手ながら送料はお客様のご負担とさせていただきます。)
なお、作品納入後一ヶ月以内の返品は受付させていただきます
fuku-mac@@kc4.so-net.ne.jp
(*お手数ですが@を一つ取ってから送信してください。)
『4人の美術家のBEST ONE』Vol.2 上條暁隆×小林聡子×瀬古徹×浅川洋
会期:2025年10月16日(木)〜11月9日(日)
開廊日:木・金・土・日
時間:12:00〜18:00
会場アクセスと展覧会スケジュール
![]()
![]()