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「移る」


わたしは現在山梨在住ですが、住民票は都内にあり、(最近も)週に一度は杉並区のアパートに泊まっています。
杉並在住歴は30年を超え、その大半は西荻窪で過ごしています。
その愛着のある西荻窪に別れを告げ、画廊のある中央区に引越すことになりました。
まぁ引越といっても、実質は妻の引越で、わたしの普段の住居や生活はそう変わりません。
それでも西荻を去るのは一抹の寂しさがあり、中央区に移るのは、やはり生活の<変化>です。

引越自体は何の問題もなく、あっという間に終り、中央区の水辺に近い住いの生活が始まりました。
まずしなければならないのは、住民票の移動です。
それは事前に異動届を杉並で取得していたので、転居後に妻が中央区役所に届けてくれました。
その次は、印鑑証明の登録と自動車免許証の住所変更です。



新しい住居(集合住宅)から区役所までは10分ほど。
住居と画廊の間にあります。
秋の青空の下、歩いているとビルの屋上にBOSSの看板が。
悲しそうなトミー・リー・ジョーンズの顔と背景の曇空。
青空には不釣り合いですが、青空だからこそ、その憂鬱な雰囲気が目立ちます。
最近のBOSSのテレビCMはやり過ぎで、トミー・リー・ジョーンズの個性を殺していますが、この看板はなかなかです。

中央区は住民が少ないせいか、区役所は空いていて、すぐに登録と区民カードが発行されました。
免許証の住所変更は隣りの築地署で、こちらも簡単に変更が済みました。
画廊に出掛けるまでまだ大分時間もあるので、少し戻って、住居近くを散策してみることにしました。
拠点は近所の聖路加病院の聖路加タワーです。



聖路加タワーと、後(うしろ)の雲です。
雲がタワーの後に、隠れていますね。
その隠れ具合が、こちらに顔だけ出して挨拶しているような、恥ずかしくて半分隠れているような、そんな感じです。
この雲、秋の雲ですね。
今日は久し振りに、空を見ながら歩いてみることにしました。



タワーの隅田川沿いはガーデンになっていて、佃大橋と佃、月島が間近に展望できます。
高層ビル群と(近づくと点在している)昔ながらのしもた屋が同居する、不可思議な景観。
新旧文化の交差というより、近未来的な空間の圧倒的な存在と、そこに漂ういわれない不安を感じます。
(今度ゴジラが現れたら、この辺りで大暴れしそうですね。)



聖路加タワーから離れて、築地方面に向かった途中の空です。
やはり、秋の雲ですね。
でもどことなく杉並の西荻窪の空ではなくて、中央区の水辺から見た空です。
この辺りは、意外に高層ビルが少なく、空が広く見えます。



築地の本願寺を初めて肉眼で見て、築地の裏通りを適当に歩いて、住居の近くに戻ってきました。
この雲も、何となく秋らしい雲です。
住宅の密集していた杉並、西荻窪とは大分雰囲気が違いますが、この街の散策も結構楽しそうです。
長くて短い人生、時には変化も必要な気がします。