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長谷川創展
日常の周縁
HASEGAWA Hajime

長谷川創展の展示風景です。



長谷川創展は5点の作品で構成されています。
作品の詳細をご覧下さい。




画廊入口から見て、左側壁面、左端の作品です。
タイトル「日常の周縁 1」(鉄、マグネットシート、木)でサイズ250×340mmです。




左側壁面、右端の作品です。
「日常の周縁 2」(鉄、マグネットシート、木)で960×1030mmです。




正面壁面の作品です。
「日常の周縁 3」(鉄、マグネットシート、木)で900×600mmです。




右側壁面、左端の作品です。
「日常の周縁 4」(鉄、マグネットシート、木)で350×470mmです。




右側壁面、右端の作品です。
「日常の周縁 5」(鉄、マグネットシート、木)で370×530mmです。

<作家コメント>
-思考の導入(パンデミックと社会の不均衡)-
コロナ禍に遭遇している日本で初めて感染者が出てから14ヶ月が経つ。
COVID-19の実態はいまだ掴めきれていないが、多くの人々にとって、暮らしに変化が生じウイルスについて深く学んだ1年間だったことは確かだろう。この世界的パンデミックは人の命や絆といったプリミティブな視点からは大変な災難であるが、すでに限界に達していた我々の 社会秩序を見直すには有効な警鐘であるように感じられる。
社会が許容できない程の格差や社会的弱者の実態が露呈され、これまでなんとか堪えてきた社会活動のバランスが崩れてきたように見受けられる。
また、今回の流行によって社 会体系が更なる不均衡に陥った事態は迎え入れるべきこととポジティブに捉えている。
なぜならば既成の陳腐化したシステムや主義を変革するパラダイムシフトには適度なショックが必要だからだ。
ピンチであるコロナ禍は、転換点というチャンスになるかもしれない。
ポストコロナの世界を良くするか悪くするか、今、我々はウイルスから選択肢を与えられている気がする。

-現代美術の動向から着想-
そんな世の中の流れを、多種ある現代美術のムーブメントを鑑みながら見詰めてみると、私はある動向に表現スタイルの相関性を見出すことができた。それはミエーレ・レーダーマン・ユークレスの「メンテナンス・アート」、そしてニコラ・ブリオーの「関係性の美学」を起因として20世紀の終わりに一大ブームを巻き起こしたリレーショナル・アート、さらにそこから展開したクレア・ビショップによる「敵対性の美学」の思想だ。
彼らはアートと社会をインタラク ティブに関わらせ、そこに内在する問題を可視化する芸術実践を行った。
私はそれらの動向を応用することで現時勢を表し、そこにある実情と人々の思考を繋ぐ実践を行ってみようと思う。
(参考文献:山本浩貴(2019)『現代美術史』中 公新書)

-表現の具現化-
作品の示し方は、マグネットシートが絵画のように壁面に掛けられ、そのシート上には番号を振ったグリッドが引か れている。
その下方には同じく番号が振られた金属ピースが置かれている。
鑑賞者はその金属片を番号を頼りにマグネットシート上のグリッドに置くように求められる。
パズルのように全ての金属ピースがそのシートに並ぶと、あるイメージを確認することができる。
しかし、鑑賞者は金属ピースを置くという作品の過程に関わるため、作品の真相を見ることはできない。
さらに、全てのピースが並びイメージが浮かび上がったとしても、それは粗いモザイク画になってお り、被写体をはっきりと見ることはできない。
鑑賞者は作品の裏側を垣間見、自分の手を加えることはできるが、最後までその中にあるものを捉えることはできな い。
つまり、作品を見ようとすると、その掴みどころのない不明瞭さから釈然としない気持ちを抱くことになる。
見る者を敵対する作品といってもいいだろう。
しかし、もしも傍観者として作品を見るのではなく、裏方として関わったとしたら、いち当事者として疑問や思慮が湧き、作品を通して考えようとする。
そして、世の中に内在する不条理や隠蔽される不都合な事実などに対してアイロニカルに思考を巡らせられるかもしれない。
考える人を巻き込みながら、今のこと、これからのことを思案する先見的な活動になることを今展示の狙いとしている。

本展は参加型の展覧会です。
具体的には、鑑賞者は壁面のマグネットシートに四角い小さな金属ピースを置いていきます。
シートと金属ピースにはそれぞれ番号が振られていますので、合致するように置いていきます。
金属ピースが増えるに従ってマグネットシートには絵が浮かんできます。
ただし、鑑賞者はその完成図を見ることなくギャラリーを後にすることになります。
この割り切れない関係と感情が展示のテーマになっています。

わたしたちは社会の一員であり、義務と権利を有します。
例えば、投票は義務であり権利でもあって、政治への参加です。
しかし実際にはわたしたちを疎外した形で政治は進んでいきます。
この齟齬がどこから生まれるのか、立ち止って考えることを、この作品は要請しています。

美術は生き物です。
時代と共に形式が変化し、新たな形式も生まれます。
長谷川さんの作品は、見ると同時に考える美術です。
参加することで、関わることで、作品は生命を得ます。
そして、生活の中に作品が活かされた時、この作品は完成します。
絵に参加する楽しさと同時に生まれてくる不合理への疑問。
その両面性が、長谷川さんの狙いであり、作品の独自な魅力です。
(制作技術の高さ、精緻さも特筆です、そちらも要注目です!)

ご高覧よろしくお願いします。

プライスリスト1
プライスリスト2

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なお、作品納入後一ヶ月以内の返品は受付させていただきます
fuku-mac@@kc4.so-net.ne.jp
(*お手数ですが@を一つ取ってから送信してください。)

長谷川創展
会期:2021年4月1日(木)〜4月18日(日)
開廊日:木・金・土・日
時間:12:00〜18:00


会場アクセスと展覧会スケジュール