iGallery DC

坂本泉展
「Inside-Out Needles」
SAKAMOTO Izumi




坂本泉展の展示風景です。






上から、画廊入口から見て左側壁面左、左壁面右と正面壁面、右側壁面の展示です。
坂本泉展は以上の12点(6点の連作を含む)の作品で構成されています。
作品の詳細をご覧下さい。

 


画廊入口から見て、左壁面の作品です。
左はタイトル「「20220910」harvest moon」(藍染めの和紙、和綿糸(結))でサイズ48×32cm、
右は「星月夜」ゴッホ 1/6~6/6(紙、刺繍糸)で各 22×22cmです。

 


正面壁面の作品です。
左から「アルプス(モノクロ)」(紙、刺繍糸)で40×55cm、
「「糸杉」ゴッホ 部分」(紙、刺繍糸)で24×22cm、
「河岸段丘」大 (紙、刺繍糸)で58×58cmです。


正面壁面エアコン下の作品です。
「じゃがいもを食べる人」ゴッホ 部分(紙、刺繍糸)で39×27cmです。

 


右壁面左側の作品です。
左から「河岸段丘(モノクロ)」(紙、刺繍糸)で47×47cm、
「タラスコンへの道を行く画家」ゴッホ 部分(紙、刺繍糸)で47×47cm、
「日陰の憩い」セガンティーニ 部分(紙、刺繍糸)で45×54cmです。


右壁面右側の作品です。
左から「アルプスの真昼」セガンティーニ 部分(紙、刺繍糸)で47×47cm 、
「アルプス(カラフル)」(紙、刺繍糸)で41×54cm、
「榛名湖/木」(紙、刺繍糸)で47×47cmです。


<作家コメント>

意識の裏側にある未発見のサイドに光を当てる試みです。
第一義的な表面からは埋もれてしまうアナザーサイドの動向に関心を持つと、余計と思われる所に意外なおもしろさや唯一の個性が潜んでいたりします。
周知の図柄を表にみて刺繡を続けるプロセスと、裏側を提示してみせる最終段階無意識のアナザーサイドは「ない」を「ある」に反転させるある意味のユーモアと遊び
ないものだらけの不完全な自分感染症の蔓延や戦いの続く世界に感じるやるせなさ
社会生活で自分に課せられた役割を演じつつほんの少しだけ自分自身を解放する行為
生きる希望を見出すにはどうしたらよいか
壊れやすさ、儚さをあらわす紙を敢えて支持体として用いぷすぷすと針で刺しながら自分自身のアナザーサイドを身近に引き寄せたい
そんな時間を生きています。


その昔、わたしは東京郊外にある美術専門学校に通っていました。
学校のある街は私鉄が分譲した新興タウンで、大学通りを中心に整備されています。
上品な中流階級が住む学園都市で、高級スーパーはあってもパチンコ屋はありません。
もちろん風俗などは問題外です。
1年半ほど学校に通いましたが、何となく馴染まない街でした。
その理由(わけ)は街には裏町がなかったからです。
裏町とは悪場所を含む、大人が息を抜くところです。
本来、人の住む街とはそういうもので、表の顔もあれば裏の顔もあります。
そのバランスが取れているのが、良い街だと思うのです。
裏町がないと、そのドロドロした欲望は思わぬところで爆発します。
つまり、街にもガスを抜く裏町のような場所が必要ということではないでしょうか。

坂本泉さんは紙に刺繍をします。
モチーフは西洋名画(ゴッホ、セガンティーニ)と山岳です。
そこまではさして珍しいことではありませんが、刺繍の表ではなく裏を展示しています。
キッチリ刺繍した表と異なり、裏は鮮やかな色の刺繍糸があちこちに長く伸びて、カオスな状態を見せています。
どうしてそんなことを始めたのかと尋ねれば、ある時何気なく裏を見たら、そっちの方が面白かったからだそうです。
なるほどなるほど、きっかけは思いがけないところにあるもんですね。

これは裏町の刺繍ではありませんが、どこか人間の奥底にあるエネルギーを彷彿させます。
ゴッホの激しい筆致に似た、アナーキーな生命力を刺繍の裏には感じます。
気取った表の街の裏に本音の裏町があるように、美しい刺繍の反対側には人間の生(なま)の世界が零れ落ちています。
それを発見して自己の表現にまでまとめ上げたのは流石です。
今、刺繍は工芸というジャンルですが、明治以前までは純粋美術と工芸の区分はありませんでした。
それを再統合したかのような坂本さんの刺繍作品、手仕事の妙味に感嘆致しました。

ご高覧よろしくお願い致します。


プライスリスト1
プライスリスト2

2019年iGallery DC個展

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坂本泉展 「Inside-Out Needles」
会期:2023年4月6日(木)〜4月23日(日)
開廊日:木・金・土・日
時間:12:00〜18:00


会場アクセスと展覧会スケジュール