藍 画 廊

阿片陽介展
AGATA Yohsuke



阿片陽介展
の展示風景です。



各壁面の展示をご覧下さい。



画廊入口から見て、左側の壁面です。



正面の壁面です。



右側の壁面です。



入口横の壁面です。

以上の4点が展示室の展示で、その他小展示室に3点の展示があります。
作品は立体と平面で、床置き立体が3点、壁面の平面が5点、床面の平面が4点で構成されています。
(+小品の立体2点)
作品の詳細をご覧下さい。



左壁面前の作品です。
タイトル「伸びる手 」(陶、化粧土)でサイズ480×150×740mmです。



正面壁面前の作品です。
「筋肉質な」(陶、化粧土 )で450×330×650mmです。



小展示室の作品です。
「腕 」(陶、化粧土)で440×320×770mmです。



壁面の平面作品5点です。
「バックサイドペインティング」(青ベニヤ、アクリル、ペンキ)で各910×1830mmです。





床面の平面作品4点と、その内の1点です。
「バックプリント」( 巻き段ボール、土)で各900×2250mmです。

〈作家コメント〉
 
「平面について」
床面にあるのは、巻き段ボールに土を使って、自分の背中を版にして写しとったもの。
イヴ・クラインの制作を参照した。
壁面は、青ベニヤを床に敷き、白ペンキとアクリル絵の具を使って尻で描いたペインティング。
言うまでもなく白髪一雄を参照した。
素材の選択は、2021年現在の自分の日常(主に、生活のための仕事)を省みて、リアリティが感じられるものを選んだ。(青ベニヤ、巻き段ボール)


「立体について」
縄文の土偶のかけらや、西洋の古代彫刻のかけらからヒントを得た。
部分から見えない全体を想像させるかけらの面白さを活かせないかと思った。


阿片さんの一貫する重要なテーマに形=カタチがあります。
今回は人体をモチーフとしてカタチの原初を探っています。
陶の立体はそれぞれ「手」、「胴体」、「腕」をモデルとして作られています。
がしかし、これが従来の彫刻の概念に入るかと言えば、ちょっと疑わしい。
どこか陶の大きな置物のような風情もある。
かと言って古くさいかと思えば、そうでもない。

平面が参照しているのは、イヴ・クラインと白髪一雄。
クラインは人体測定と称して、ヌードモデルに絵具(クラインブルー)を塗ったり吹き付けたりして、人体をプリントした作家です。
白髪一雄は天井からロープを吊し、それに掴まって足で絵を描いた人です。
どちらも(一般社会では)奇人、変人の類いに見られますが、れっきとした美術史上の作家です。
阿片さんは前者を参照に、巻き段ボールに土で自身の身体をプリントしています。
後者は足ではなく、尻で青いベニヤに絵具でペインティングしています。
偉大なる先達へのオマージュですが、人の動的(身体的)エネルギーとカタチをしっかりと捉えています。

阿片さんは陶の作家として出発していますが、今は陶を中心にしながらもに形式に捕らわれない制作をしています。
立体と平面を横断し、工芸とファインアートを横断し、西洋と東洋を横断しています。
これは希有の存在で、明治以降の美術の分断を再統合しようとする野望のようにも見えますが、本人はいたって大人しく寡黙で温厚な方なので、これはわたしの勘違いかもしれません。

さて、カタチです。
展示の全体を見ると、カタチのプロトタイプのようなものが見えてきます。
それは太古の時代から続くカタチの血脈のようにも思えます。
それが意外にもアバンギャルド(前衛)と親和性があるのは発見でもあり、阿片さんの思考回路と制作の成果かもしれません。

ご高覧よろしくお願い致します。

プライスリスト

2009年「たまびやき」藍画廊
2015年藍画廊個展
2016年藍画廊個展
2018年藍画廊個展
新世代への視点2019 藍画廊個展
2020年藍画廊個展

 

会期

2021年9月13
日(月)ー18日(土)
11:30ー19:00(最終日18:00)

会場案内